一般財団法人環境イノベーション情報機構
東電8件のひび隠しを新たに報告 浜岡原発1・3号機、女川原発1号機でもひび隠しが判明
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2002.09.24 【情報源】原子力安全・保安院/2002.09.20 発表
平成14年9月20日、東京電力は原子力安全・保安院に対し、自主点検記録に不正記載の疑いがあると報告した29件以外に、更に8件、不正な取り扱いをした事例が存在すると報告した。東電によると、福島第一原子力発電所1〜5号機、福島第二原発3号機、柏崎刈羽原発1、2号機−−の8基の原子炉の再循環系配管で応力腐食割れによると見られるひび割れを発見していたが、適切な報告を行っていなかった。また、福島第一原子力発電所1〜5号機では未報告のまま配管の交換を行っていた。
20日にはこのほか、中部電力浜岡原発1、3号機、東北電力女川原発1号機の再循環系配管にもひび割れの兆候が過去にみつかっていたことが原子力安全・保安院に報告されている。
今回ひび割れの存在が明らかとなったのは、いずれも原子炉圧力容器内と同様の高温高圧の一次冷却材を包蔵する「原子炉冷却材圧力バウンダリ」を構成する重要な配管。
このため原子力安全・保安院は、(1)ひび割れが発見された場所の過去の点検記録について報告を求める、(2)これらの原子力発電所に対し電気事業法・原子炉規制法に基づく立ち入り検査を実施する−−の2点を20日中に決定。東京電力、中部電力、東北電力3社に対しては原子力発電所の全ての再循環系配管の点検実施状況についても報告を求めるほか、再循環系配管の点検を行ったプラントメーカー東芝、日立に対しても点検記録の報告を求める方針だ。
また他の原子炉でもひび隠しが行われていなかったか、再循環系配管について点検を行い報告するよう関係各社に指示する。保安検査官による現地の調査も適宜実施していくという。【原子力安全・保安院】