一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、世界最大規模の水素エネルギーシステム開発で、東北電力などと検討開始
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2016.10.04 【情報源】企業/2016.09.29 発表
東芝は、世界最大規模となる水素エネルギーシステムの開発で、東北電力、岩谷産業と検討を始める。福島県を実証エリアに水素製造・貯蔵・輸送と利活用の構成、仕様を調べ、事業可能性を検証する。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発」に採択された。福島県に最大1万kW級の水素製造装置を設置し、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーを中心発電した電気を使って水素をつくり、電力系統を安定運用できるシステムを検討する。電力を水素に変えて貯蔵することで、再生可能エネルギーを大量導入した際の電力系統の調整力にする。水素を液化して外部に供給することも想定する。
電力系統では、再生可能エネルギー発電の気象条件による大きな出力変動を吸収する調整力が必要になり、それに水素を活用する。水素の製造量と水素発電量、水素ガスの供給量は、水素エネルギー運用、電力系統側制御、液体水素需要予測の各システムが協調した新たな制御により、最適な運用を目指す。3社は2017年9月までに検討の結果をまとめる。
東芝は、再生可能エネルギー由来の水素製造から利活用までの各場面で、エネルギーを効率的に使用できる水素ソリューションを展開してCO2排出のない水素社会につなげる。東北電力は電力系統の安定運用について検討し、再生可能エネルギーの導入拡大を図る。岩谷産業は産業用水素の輸送・貯蔵・供給関連技術などの経験を基に事業を進める。