一般財団法人環境イノベーション情報機構
トヨタ自動車、本社工場内のエネルギー管理棟に東芝製の純水素燃料電池を導入
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2016.09.14 【情報源】企業/2016.09.12 発表
トヨタ自動車は、本社(愛知県豊田市)工場敷地内に8月に完成したエネルギー管理棟に、東芝製の定置式純水素燃料電池を導入した。9月12日に運転を始めた。太陽光発電、蓄電池と組み合わせてエネルギーを効率的に供給し、建物からのCO2排出量ゼロを目指して最適な運用を実証する。実証を基に工場内建物での水素活用技術の開発を進める。純水素燃料電池は3.5kWの出力があり、小規模オフィス向けに東芝が新たに開発した。商用として運用を始めたのは初めてとなる。蓄電池はハイブリッド車(HV)「プリウス」の使用済みバッテリーを利用し、太陽光発電の余剰電力を蓄える。純水素燃料電池、蓄電池、太陽光発電はエネルギー需要を予測するエネルギー管理システムで制御する。
エネルギー管理システムは燃料電池を中心に運転しながら、発電量が不安定な太陽光発電を蓄電池と連携させて効率的にエネルギーを供給する。燃料電池から出る廃熱は空調に活用する。加えて、空調と照明を1人1人が入れたり切ったりできるようにして節電を促進するとともに、自然光や自然換気を最大に利用してエネルギー消費量を最小にする。
トヨタが推進する「工場CO2ゼロチャレンジ」に向けた取り組みの一環で、水素、再生可能エネルギー、省エネ策によってエネルギー管理棟でCO2排出量ゼロを実現する。純水素燃料電池システムは、都市ガスなどから水素を取り出す方式ではなく水素をそのまま燃料にするため、CO2の発生なしで発電できるうえ、短時間で発電を始められる。