一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画など、世界遺産が気候変動によって危機にさらされていると報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.06.15 【情報源】/2016.05.26 発表
国連環境計画(UNEP)などは、世界遺産と観光業が気候変動により危機にさらされているとする報告書を公表した。報告書によると、ベネチア、ストーンヘンジ、ガラパゴス諸島などの代表的な観光地や、南アフリカのケープ植物区、コロンビアの港町カルタヘナ、日本の知床国立公園など、29か国の31の自然および文化的世界遺産が、温暖化、氷河融解、海面上昇、気象事象の深刻化、干ばつの深刻化、森林火災の発生時期の長期化などの脅威にさらされているという。イースター島のモアイ像も、海岸侵食によって海中に沈む可能性もあるとしてこの中に加えられている。そのため、世界遺産を守るためにも、温暖化を2℃未満に抑えるというパリ協定の目標達成が重要だという。また、自然資源への影響、炭素排出、環境への悪影響と、観光業とを分離する政策が、民間部門の関与と観光客の行動の変革につながるという。さらに、報告書では、世界遺産委員会に対して世界遺産に登録する前に候補地が気候変動によって劣化するリスクを検討するよう勧告している。