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環境ニュース[国内]

川崎重工、アストモスエネルギー向けLPG運搬船を引き渡し、燃料消費量を低減

エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2016.04.01 【情報源】企業/2016.03.30 発表

 川崎重工業は、LPG運搬船「SUMIRE GAS(スミレガス)」を3月30日に、アストモスエネルギーに引き渡した。同船は、三菱商事と出光興産が出資してLPG(液化石油ガス)の輸入・販売を手掛けるアストモスエネルギー向けに建造した電子制御式のディーゼル機関を主機関に採用することで、燃料消費量を低減するとともに、船首形状の工夫で推進性能を大幅に高めた。
 スミレガスは、従来のLPG運搬船の船型から貨物積載部を延ばし、タンク容量を増やしながら、推進性能を向上させた。川崎重工が開発した船首形状「SEA-ARROW(シーアロー)」を導入した。航行時に船首部に発生する波を極限まで減らし、波の抵抗を抑える。これにより、従来型と同一の速度だと主機の馬力が6〜10%減少でき、同じ馬力では速度を速められる。
 シーアローにより、運行時の燃料費を削減するほか、運航スケジュールを短縮することもできる。加えて主機関に省燃費型で電子制御式の“超ロングストローク2サイクル低速ディーゼル機関”を導入したほか、舵に付けた球状の物体と翼によって効率的にプロペラが作動する環境を作って、推力を発生させる仕組みなどを搭載し、燃料消費量を抑える。
 スミレガスは全長229.9m、幅37.2m、深さ21.0m、総トン数4万6796tで、8万2416m3のLPGを積載できる。貨物タンクには低温用特殊鋼材を使い、−46℃までの低温LPGが積み込める。タンクの周囲には発泡ウレタンを使用した防熱を施している。拡張工事中の新パナマ運河の規則に対応した船型・設備を保有し、運河開通後は通航が可能になる。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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