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環境ニュース[国内]

清水建設、原発のコンクリート放射化レベルを高精度評価する廃炉システム開発

エネルギー 原子力】 【掲載日】2015.09.08 【情報源】企業/2015.09.02 発表

 清水建設は、原子力発電所の原子炉建屋に大量に使われているコンクリートの“放射化レベル”を高い精度で評価する廃炉ソリューションシステムを開発・実用化した。廃炉決定が相次ぐ中、廃炉コストの削減を目的にする。日本原子力発電東海発電所(茨城県東海村)の廃炉計画の検討に適用している。今後、電力会社を対象に受注活動を進める。
 原発の廃炉では放射化した大量のコンクリートの処分が大きな課題とされ、コストを抑制するには廃炉計画時にコンクリートの放射化レベルの評価・分類が重要になることから、開発した。300年間の保管義務があるレベルII、50年間のレベルIIIと、放射性廃棄物としての扱いが不要なCLがあり、CL以外は特殊な保管法や施設が求められる。
 例えば、110万kW級の沸騰水型(BWR)の廃炉では放射化コンクリートがレベルIIは570m3、レベルIIIが1520m3になり、解体工事を除く処理・処分費用だけで50億円にのぼるという。開発したシステムは、原子炉と建屋の形状、コンクリート中の半減期が長い元素成分の含有量、炉心での燃料燃焼度、核分裂状況などを考慮して3次元解析する。
 評価結果は可視化する。原子炉建屋のコンクリートから、任意の断面で放射能レベルを把握し、色分け表示する。最終的には原子炉周りのコンクリートサンプルの放射化を分析し、評価の結果と照合して廃炉計画を策定する。試算ではシステムを活用すると110万kW級の解体でレベルII、IIIの発生量をそれぞれ10%抑え、処理費用が5億円程度削減できる。【清水建設(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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