一般財団法人環境イノベーション情報機構
デンソー、バイオ燃料の実用化に向けて微細藻類の大規模な培養実証設備を建設
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.08.24 【情報源】企業/2015.08.19 発表
デンソーは、生物由来の再生可能資源を原料にするバイオ燃料の実用化に向け、微細藻類「シュードコリシスチス」の大規模な培養実証設備を熊本県天草市に建設する。2016年4月に稼働を始める予定で、要素技術の確立を目指す。国内最大級となる2万m2の敷地面積がある。デンソーは2008年からバイオ燃料生産の研究を進めている。デンソーはこれまで、自社の善明製作所(愛知県西尾市)内の300m2の敷地で培養実験を行ってきた。同製作所で排出されるCO2や排水を使用し、できた油を工場の燃料に使ったり、藻の飼料への利用などを検討している。今回、生産効率を高めるためには大規模な培養技術が必要と考え、新たな設備で実証実験することにした。
大規模な新しい培養実証設備は、天草市の廃校の土地と施設を活用して造り、グラウンドに大きな培養プールを設置する。実証実験を通じて2018年度をめどに、シュードコリシスチスから抽出したバイオ燃料の要素技術を確立する。バイオ燃料は、自動車用の燃料に利用することが狙いとなり、2020年ごろの実用化を目標にしている。
シュードコリシスチスは池や温泉に生息する新種の藻で、成長が速く、丈夫で培養しやすい特長がある。デンソーが特許を持っている。CO2を吸収して光合成でデンプンを作ることに加え、ディーゼルエンジンで使用可能な燃料オイルが生産できる。トウモロコシなどの食物を原料にしたバイオ燃料と異なり、食糧不足の問題がない。【(株)デンソー】