一般財団法人環境イノベーション情報機構
竹中工務店、国産材を使った木質耐震壁を鉄筋コンクリートの建物の補強に適用
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2015.07.08 【情報源】企業/2015.07.02 発表
竹中工務店は、国産材を使った木質耐震壁を鉄筋コンクリート(RC)造りの建物の補強に適用した。単板積層材(LVL)の耐震壁接着工法を採用して武庫川女子大学(兵庫県西宮市)の校舎を改装した。国内で初めてという。木質耐震壁は木の利点を生かした環境に優しい補強ができるため、学校をはじめホテル、病院などの建物に適している、と強調している。LVLは、皮をむくように薄く切るかつらむきで丸太から厚さ約3mmの単板(ベニヤ)を作り、繊維の方向をそろえて積み重ねて接着した木質建材を指す。国産のカラマツやアカマツの間伐材を活用して製造できる。LVLの耐震壁接着工法は耐震補強工法として、2014年11月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得している。
LVLの耐震壁接着工法はLVLパネルをRC造りの骨組み内に固定する方法で、厚さ40mm程度の薄く軽量なパネルを家具のように施工できる。コンクリートや鉄骨による補強と同等の耐震性能を持ちながら騒音や振動が小さく、短い工期でコストを抑制する。木材は重量の約半分が空気中のCO2から作られた炭素でできているため、温暖化対策にもつながる。
武庫川女子大学は、語学のLLライブラリーや大教室、書道教室などを備える文学2号館を改修した。1971年に完成し、地下1階、地上5階建て5448.57m2の延べ床面積がある。LVLの木質耐震壁接着工法を適用し、教室などを通常通り使用しながら耐震補強の工事を行った。耐震壁には「この壁は皆さんの大切な命をまもる木造の耐震壁です」と記したパネルも設置した。【(株)竹中工務店】