富士電機、大分県に建設される地熱バイナリー発電所の設備全体を一括して受注

【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.05.29 【情報源】企業／2015.05.26 発表

　富士電機は、大分県九重町に建設される地熱バイナリー発電所の設備全体の設計、調達、製作、建設を一括して受注した。地熱バイナリー発電所は出光興産の100％子会社で地熱事業の出光大分地熱が、滝上事業所の敷地内に設ける。5050kWの出力がある。「滝上バイナリー発電所」として、2017年3月の稼働開始を予定している。
　出光大分地熱の滝上事業所は、九州電力滝上（地熱）発電所（同町）＝出力2万7500kW＝に発電用蒸気を供給している。今回、蒸気に付随して噴出する熱水の有効利用を目的に滝上バイナリー発電所を造り、発電事業を行うことにした。年間3100万kWhの発電規模で、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で売電する。
　富士電機は1960年以来、国内外で71台・2787MW（278万7000kW）の地熱蒸気タービン発電設備を納入している。2004〜2013年の10年間には21台・1068MW（106万8000kW）の納入実績があり、世界シェアの40％を占めてトップに立っている。滝上バイナリー発電所でも富士電機のこれまでの実績が評価されて受注につながった。
　バイナリー発電は熱源の水と低沸点媒体の2つの流体を利用することから、「2つの」を意味するバイナリーの名がある。この方式によって、地熱発電で利用後に地中に戻していた100〜150℃の低温熱水で発電できるようになる。富士電機は2010年に地熱バイナリー発電設備の販売を始め、各種の容量をラインアップしている。【富士電機(株)】