一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京ガス・三菱重工など、廃温水を蒸気として高効率に回収するコージェネを開発
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.05.25 【情報源】企業/2015.05.21 発表
東京ガス、三菱重工業、三浦工業、神戸製鋼所の4社は、ガスエンジンの廃温水を蒸気として高い効率で回収するガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)システムを開発した。排ガスボイラーからの廃熱に加え、利用が限定されていた温水からも蒸気を回収して効率を高める。東京ガスグループと三菱重工が7月からシステムを販売する。各社が展開している製品を基に、ガスエンジンの廃熱を温水から蒸気に効率的に変換して利用できるようにした。三菱重工の「高温化仕様ガスエンジン」、三浦工業の「廃温水熱利用蒸気発生装置」、神戸製鋼所の「スクリュ式小型蒸気圧縮機」を組み合わせた。同時にガスエンジンの改良やシステムが効率よく稼働するための制御開発を行った。
高温化仕様ガスエンジンは廃温水の温度を高く設定することで多くの蒸気を回収する。廃温水熱利用蒸気発生装置は廃温水を効率的に低圧蒸気に変換し、スクリュ式小型蒸気圧縮機は変換された低圧蒸気を生産工程で利用できる圧力に昇圧する機能を持つ。この結果、排ガスボイラーだけからの場合と比べ、蒸気の回収効率が18.4%から28.4%に向上した。
電気と蒸気を合わせた総合効率は約71%にのぼる。蒸気の使用量が減る期間はガスエンジンコージェネ単体で稼働する通常の状況に切り替えられる。ガスエンジンコージェネはエンジンで発電機を回して発電し、同時にその排ガスや冷却水の廃熱を蒸気や温水に利用する。蒸気は加熱・殺菌など生産工程で幅広く使える一方、温水は使い切れないことも多い。【東京ガス(株)】