一般財団法人環境イノベーション情報機構
富士通、フィリピンで電動三輪タクシーの普及に向けた実証をベンチャーと開始
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2015.04.13 【情報源】企業/2015.04.09 発表
富士通は、フィリピンで電動三輪タクシーの普及に向けたサービス拡充の実証を移動サービスベンチャーのグローバルモビリティサービス(GMS)=東京・千代田区=と始める。富士通の位置情報活用サービスとGMSの移動サービスを連携させ、バッテリーの残量や消耗具合から走行可能な距離を算出し、給電スポットまで誘導して電池切れを回避する。フィリピンではガソリンを燃料にする三輪タクシー(トライシクル)が移動手段として定着し、350万台以上ある。大気汚染が深刻になっていることから政府は、排ガスを出さない10万台の電動三輪タクシーの導入を推進している。しかし、三輪タクシーのドライバーは低所得層とされ、電動三輪タクシーの購入を望んでも与信の審査が通らない状況がある。
GMSは与信審査不要で電動三輪タクシーを貸し出すサービスを目指し、車両に搭載するだけで遠隔から制御できるシステムを開発した。これにより現在位置を把握し、料金支払いが滞った際に遠隔で走行を停止させられるサービスの実証実験を2014年9月〜2015年1月に首都圏メトロ・マニラで実施した。その後自治体や企業と契約し、今春から事業展開する。
今回の実証は、位置情報活用サービスで走行可能距離や最適な給電スポット情報をドライバーに知らせるサービスを提供する。走行データ、バッテリーの状態、道路整備状況、気候などから道ごとの電力消費率を表す“電費マップ”を作り、電力消費の少ないルートを案内することもできる。秋からメトロ・マニラで実験し、GMSのサービスに機能を加える。【富士通(株)】