一般財団法人環境イノベーション情報機構
川崎重工、中国合弁会社でばら積み運搬船を引き渡し、推進性能の向上で燃料を低減
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2014.11.28 【情報源】環境省/2014.11.25 発表
川崎重工業は、中国の造船合弁会社、南通中遠川崎船舶工程(NACKS)でばら積み運搬船「ACER ARROW(エイサーアロー)」を11月23日に引き渡した。川崎重工とNACKSが共同開発したセミオープンハッチ型の1番船だ。推進性能を向上させて燃料消費量を低減する。全長199.90m、幅32.24m、深さ18.60m、総トン数3万5503tで6万1066tの貨物が積載できる。セミオープンハッチ型は、通常のばら積み運搬船と、ハッチが全開するオープンハッチ型の中間となり、穀類、石炭、鉱石、鋼材に加え木材パルプ、材木など幅広い品目が積める。
省燃費型の電子制御式ディーゼル主機関と高効率タイプのプロペラを搭載し、プロペラ回りのエネルギーロスを低減する機構を採用した。抵抗の少ない滑らかな船首形状と合わせて推進性能を高め、これによって燃料消費を抑える。主機関は従来型より6%の効果がある。
主機関と発電機用エンジンは海洋汚染防止条約によるNOx(窒素酸化物)排出量の二次規制に対応している。5つの船倉を持ち、中央部の3つは木材パルプなど製品貨物の荷役に適した構造にした。4基の36tデッキクレーンを装備し、荷役設備がない港湾でも作業ができる。【川崎重工業(株)】