一般財団法人環境イノベーション情報機構
生態系保全の視点を取り入れた化学物質の審査・規制制度の検討報告書に251件の意見寄せられる
【健康・化学物質 環境ホルモン】 【掲載日】2002.07.05 【情報源】環境省/2002.07.05 発表
環境省は平成14年7月5日、同省の「生態系保全等に係る化学物質審査規制検討会」がまとめた、生態系保全の視点を取り入れた化学物質の審査・規制制度の検討報告書への意見募集結果をとりまとめ、寄せられた意見の内容を公表した。内分泌かく乱物質などによる野生生物への影響も指摘される中で、諸外国ではすでに、人の健康保護のほか、生態系保全を目的とした化学物質の審査・規制が実施されており、OECD加盟国で新規化学物質の審査・規制制度がある25か国のうち、生態系保全を法の目的に持たず、生態影響試験を事業者に要求できないのは現在日本だけ。
今回の報告書では、生態系保全の視点を取り入れた化学物質の審査・規制に関する内外の知見・制度の評価を行ったほか、化学物質の生態影響に関する試験・評価の実施が日本でも可能であることを検証。またその上で、生態系保全の視点を取り入れた化学物質の審査・規制のあり方についての基本的考え方を示している。
なおこの報告書に対し、意見募集期間中に寄せられた意見は56通。更に1通の中に複数の意見が述べられているケースを整理した延べ意見数は251件に達していた。このうち最も多かったのが、生態系保全のための化学物質の審査・規制制度の導入に賛成する意見(16件)。また導入に当たっては、既存の規制体系にはとらわれずに制度設計を行うべきとの意見が散見され、具体的に生態影響が懸念される物質としてトリブチルスズ化合物やホルムアルデヒドなどの物質への対策を求める意見も数多く寄せられた。
環境省では、今回寄せられた意見を参考に、今後化学物質審査規制法改正を視野に入れた検討を引き続き進めていく方針。【環境省】