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環境ニュース[国内]

低周波音への苦情 心身症状に関わるものが71%を占める

大気環境 騒音/振動】 【掲載日】2002.06.28 【情報源】環境省/2002.06.27 発表

 環境省は、平成12年度に地方公共団体が同省の依頼によって実施した「低周波音全国状況調査」を基に、測定結果の解析や苦情原因の分析を行ない、その内容を公表した。
 低周波音とは人の耳では聞き取りにくい低い周波数の音のこと。鉄道のトンネル、ディーゼルエンジン、ビルの屋上にある冷却塔、空調機などが発生源となり、人の身体に対して圧迫感、振動感、不安感を与えるといわれているが、具体的な影響関係はまだ明らかでなく、法的規制などはなされていない。
 今回の解析では24都道府県19市から寄せられた166件の測定データを対象としているが、このうち、低周波音についての苦情があったものは72件。残り94件は苦情がなかったか、騒音振動による苦情など、低周波音以外についての苦情が寄せられていた。
 なお低周波音に対する苦情は、(1)建具のがたつきなどの物的苦情、(2)頭痛、いらいらなどの心身症状についての苦情、(3)これらを複合したもの−−の3つに大別されるが、今回の調査結果では心身にかかわる苦情が最も多い47%となり、複合要因による苦情も含めると全体の71%を占めた。過去の調査結果と比較すると苦情の内訳は物的苦情から心身にかかる苦情へと重点が移行する傾向が明らかになった。
 また周波数分析結果をもとに低周波音による建具への物的影響と心身症状にかかわる影響について結果を整理した結果では、物的苦情のある測定箇所では、建具のがたつき閾値とされるレベルよりも5デシベル以上上回る事例が半数以上を占めており、一定の対応関係が確認された。
 一方、心身にかかる苦情についてG特性(超低周波音の人体感覚を評価するためISO規格により規定されている補正特性)や、周波数ごとの音圧レベルで評価した結果では、比較的低い音圧レベルであっても心身にかかる苦情が発生していることが明らかとなり、100ヘルツ以上の一般の騒音によるものや、音以外の要因による心身症状が混在してる可能性が指摘された。【環境省】

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