一般財団法人環境イノベーション情報機構
デンソー、路車間通信を活用した交通制御の実験を中国で実施、公共バスの燃費改善
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2013.03.26 【情報源】企業/2013.03.22 発表
デンソーは、道路と車両の間で無線で情報をやり取りする路車間通信を活用した交通制御システムの実証実験を、中国東部の江蘇省太倉市の公道で3月23〜27日の5日間、実施する。公共バスを交差点の信号で停止することなく運行させ、バスの燃費改善を図るとともに定時運行を可能にする。実験は現地の大学と共同で行う。実験では、太倉市内のバス路線の信号交差点1カ所に道路側の無線通信機器を設置し、機器を搭載した1台のバスと通信する。交差点を止まらずに通行するための最適なスピードやバス停を発車するタイミグをバスに知らせるほか、バスが交差点の信号に近付いた際、状況に応じて信号を変更してバスを優先的に通行させる。
中国では大都市で車両台数の急増に伴う交通渋滞が発生。渋滞緩和に向けて公共バスの導入が進み、バスの燃費改善と定時運行が求められている。路車間通信は車両の情報や道路情報を通信する仕組みで、バスをスムーズに走行させることによるCO2排出削減や渋滞解消に加え、衝突事故を防ぐ技術としても期待されている。
デンソーは今回の実験を経て、将来の導入につなげたい考えで、早い段階での実用化に向けて開発を推進する。デンソーは路車間通信や、車同士の車車間通信の主要機器となる無線通信機の開発を2003年に始め、自動車メーカーと日本、米国、欧州各国の政府機関が協力して展開する各種の実証実験に車載機を提供している。【(株)デンソー】