一般財団法人環境イノベーション情報機構
電力各社、政府に報告した今冬の電力需給見通し公表、九電は2月の予備率が3.1%
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.10.17 【情報源】企業/2012.10.12 発表
沖縄電力を除く全国の電力各社は、政府に報告した今冬の電力需給見通しを公表した。供給余力を示す予備率が最も低いのは九州電力となり、2013年1月は3.4%、2月は3.1%まで下がる。九州電力と同様、今夏に数値目標を定めて節電を要請した関西電力と四国電力は1月が各5.2%、9.0%、2月は4.1%、9.1%。夏より冬の方が電力需給がひっ迫する北海道電力は、1月の予備率6.7%、2月は5.8%と見込んだ。各社とも、原子力発電所の再稼働がないことを前提に供給力を算出し、節電の定着と2011年度(北海道は2010年度)並みの厳寒を想定して最大電力需要を割り出した。九州電力は、原発が再稼働できないことから厳しい状況が続き、火力、水力発電所の補修停止時期の調整などの対策を実施するものの、供給力は、融通を含めて1月が1589万kW、2月は1584万kWとなり、最大需要は1、2月とも1537万kWと予測した。
今夏に大飯原発3、4号機の再稼働で乗り切った関西電力の供給力は1月が2670万kW、2月は2642万kW、最大需要は1、2月とも2537万kWとなる。四国電力は1月の供給力が556万kW、2月が557万kWで、1、2月とも最大需要は510万kWと見込む。関西電力は2月の予備率が4%ほどに落ち込むが、四国電力は火力発電所の定期検査の繰り延べなどによって供給力を確保し、1、2月とも予備率が9%を超えて比較的余裕がある。
冬に電力需要が増える北海道電力は、1月の供給力は601万kW、2月が596万kWとなり、最大需要は両月とも563万kWと、5%を超える予備率が確保できる見通し。北海道は電力ピークの発生が3月まで長期間続くため、今後も供給力の上積みや、需給調整契約の加入拡大を進める。しかし、60万kWに限られる本州との連系設備が計画外で停止すると他社からの融通が受けられなくなり、供給力が不足するリスクも指摘される。
他社の予備率は、東北電力が1月6.9%、2月6.1%、東京電力は各7.5%、9.4%、中部電力は4.8%、6.6%、北陸電力は7.3%、8.3%、中国電力は6.3%、7.7%。各社とも予備率3%以上を確保できる見込みになり、政府が計画停電や数値目標を掲げた節電を要請する可能性は低く、ほとんどの地域で一般的な節電要請にとどまるとみられる。ただ、北海道電力に関しては連系設備停止の危険性を考慮して検討する。【東京電力(株)】