一般財団法人環境イノベーション情報機構
YKK AP、埼玉窓工場の「機能ガラス棟」工事終え、Low-Eガラスの製造を開始
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.10.15 【情報源】企業/2012.10.09 発表
YKK APは、埼玉県久喜市の埼玉窓工場で進めていた第2期工事を完了し、「機能ガラス棟」でLow-E(低放射)ガラスの製造を10月9日に始めた。北海道石狩市の北海道工場、富山市の関連会社に続く3カ所目のLow-Eガラス生産拠点となり、生産能力はこれまでの2.3倍になった。省エネ意識の高まりに伴う住宅の窓でのLow-Eガラスの需要拡大に対応する。Low-Eガラスは、表面に特殊な金属膜をコーティングし、放射による熱の伝達を妨げる。機能ガラス棟で製造するLow-Eガラスは隣接する窓棟で複層ガラスに加工され、埼玉窓工場で窓として一貫生産する。埼玉窓工場はYKK APで初の窓の製造・供給拠点として2011年7月に操業開始。窓事業の中核工場で、関東・甲信越で同社最大規模の製造拠点になる。
機能ガラス棟は1階建て、床面積9318.89m2。環境負荷を低減する設備を備える。屋根と外壁に高断熱の建材、ガラス部分にLow-E複層ガラスを使用したほか、照明に高天井用LED(発光ダイオード)を採用した。従来のメタルハライドランプと比べて消費電力を約5割削減し、照度センサーとの連動で一層の削減を見込む。自然採光も積極的に利用した。
埼玉窓工場全体は敷地面積8万6716m2。敷地内の緑化など環境負荷低減と自然環境の有効利用を進めている。Low-E複層ガラスを住宅の窓に使用すると、夏に太陽熱の室内への侵入を防ぎ、冬は暖房の熱を外に逃がさないことから、冷・暖房を抑制できる。YKK APはLow-Eガラスの増産で住宅の省エネにつながるLow-E複層ガラスの装着率向上を推進する。【YKK AP(株)】