一般財団法人環境イノベーション情報機構
食品容器・おもちゃへのフタル酸エステル類含有塩ビ使用禁止案に対する意見募集結果を公表
【健康・化学物質 環境ホルモン】 【掲載日】2002.05.10 【情報源】厚生労働省/2002.05.09 発表
厚生労働省は、平成13年8月1日から8月31日まで「食品、添加物等の規格基準」の改正案について意見を募集していたが、平成14年5月9日までに意見募集期間中に寄せられた意見の内容と、これに対する同省としての考え方をまとめ、公表した。今回の改正の内容は、(1)フタル酸エステル類(フタル酸ジ(2−エチルヘキシル))を含有するポリ塩化ビニルによる油脂、脂肪性食品の器具・容器包装製造の禁止、(2)歯固めなど乳幼児が口に接触するおもちゃへのフタル酸エステル類(フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル)を含有するポリ塩化ビニルの使用禁止−−など。
フタル酸エステル類は濃縮性や生物に対する一般毒性は高くないと言われているが、内分泌かく乱化学物質であると疑われている。
厚生労働省の発表によると、寄せられた意見は137通で、このうち1通で複数の意見を述べているものを整理すると総意見数が517件に達した。内容的には毒性評価についての意見が131件、暴露評価についての意見が61件、器具・容器包装、おもちゃの規格基準案についてが196件、その他についての意見が129件だった。
なお、例えば「米国や欧州では、材料や製品を全面禁止するより信頼できる製品性能基準を開発する方向。フタレートを科学的に立証された溶出移行レベル以内で安全に使用することができるように、このような取組を採用すべき」などの意見に対して、厚生労働省としては(1)今回の規制も対象範囲を科学的根拠に基づいた必要範囲に限定しており全面使用禁止ではない、(2)各フタル酸エステルが安全使用できる溶出移行基準値は科学的に確立していない、(3)米国では業界に対しておもちゃへのフタル酸エステル類の使用規制の要請がだされているほか、欧州でも玩具と保育用品について6種のフタル酸エステルが使用禁止とされている、と説明している。【厚生労働省】