一般財団法人環境イノベーション情報機構
大日本印刷、太陽電池モジュールの変換効率向上につながる3種の新部材の量産開始
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2012.08.13 【情報源】企業/2012.08.08 発表
大日本印刷は、太陽電池モジュールの変換効率向上につながる部材のラインアップを拡充し、新たな製品の量産を始める。高電圧での電流漏れへの耐性を高めた封止材、絶縁性を向上させたバックシート、裏面電極(バックコンタクト)型太陽電池用の回路付きフィルムシート(バスラインシート)の3種となる。国内外の太陽電池モジュールメーカーに販売する。封止材は、太陽電池セルや配線を固定し、表面のガラスと裏面のバックシートを接着して太陽電池を保護する主要部材。その素材は従来、合成樹脂のEVA(エチレン・ビニル・アセテート)だったが、水分が浸透することで電流漏れが生じて出力が低下してしまう心配があった。
同社は今回、EVAと比べて約10倍の水分遮断性がある樹脂のポリオレフィンを採用した。出力低下がほとんどないうえ、ポリオレフィンはEVAより短時間で加工できるので、太陽電池の生産性を高めながら出力低下を防げるようになる。幅広い波長域の光の透過性にも優れ、発電効率を高められる。
バックシートは、効率向上に伴って求められる高い絶縁性を実現した。従来の数倍の絶縁性があるほか、難燃性も高く、10倍以上の耐久性を持つ。バスラインシートは、太陽電池でつくった電気を集める電極を裏面に集約することで表面の受光面積を増やし、発電効率を向上させる。回路のパターンをシート状に形成し、生産工程を簡易にした。
封止材とバスラインシートは今回、バックシートは秋に量産開始する。同社は、変換効率向上ニーズに応える利点を訴えて、これら3種の新部材を展開。2014年度に200億円の売り上げを見込む。