一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱レイヨン、中国企業に豊田通商と共同出資して水処理の運転・管理事業を開始
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2012.04.17 【情報源】企業/2012.04.12 発表
三菱レイヨンは、中国の水処理エンジニアリング大手、江西金達莱環保研発中心(江西JDL、江西省南昌市)の100%子会社で水処理運営・管理を手掛ける奉新金達莱環保(奉新JDL、江西省宜春市)に、豊田通商と共同出資し、中国で水処理の運転・管理事業を始める。環境負荷が大きい染色排水を総合的に処理して再利用する。2013年4月の営業運転開始を予定する。奉新JDLは2010年12月の設立で資本金は2800万元(約3億5000万円)。三菱レイヨンが51%、豊田通商が9%出資し、江西JDLの出資比率は現在の100%から40%に下がる。出資は6月に完了する。奉新JDLが営業権契約を結んだ染色工業地区の排水処理・再利用を実施する。1日5万tの処理水量を計画している。三菱レイヨンと豊田通商にとって初めての水処理運転・管理事業となる。
三菱レイヨンは、浄水場で広く利用されるストロー状になった膜、中空糸膜を使った膜分離活性汚泥法(MBR)と呼ぶシステムを中心に中国で事業展開している。さらなる水処理事業の拡大を狙いに、成長が期待できる運転・管理への進出を検討。膜の販売で長期間の取引関係があり、MBRの施工実績を持つ江西JDLの100%子会社、奉新JDLの株式を過半数取得し、中国で事業を行うことにした。
中国は経済成長に伴って下排水処理市場が拡大している。三菱レイヨンは水関連事業の中で運転・管理を中核事業の1つに位置付け、今後は、再利用を含む工業系の排水処理技術と関連企業の拠点網を活用しながら事業を進める。豊田通商は2010年から産業分野の排水処理事業や汚泥処理事業に取り組み、今回の出資を弾みに、上下水道事業への参入とともに再生水事業を推進していく。【三菱レイヨン(株)】