一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、排水処理技術の開発でシンガポール政府と覚書を締結、研究センターを設立
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2012.04.16 【情報源】企業/2012.04.11 発表
東芝は、排水処理技術の開発に関する覚書をシンガポール政府の公益事業庁と結んだ。現地法人東芝アジア・パシフィックの傘下に新組織「水研究センター」を4月1日付で設立した。水研究センターは、「ウオーター・ハブ」と名付けられた公益事業庁の研究・開発拠点内に開設し、半導体工場などの排水を処理する技術の開発を進める。シンガポール政府は、水ビジネスを戦略産業に位置付け、同国を水・環境技術の研究・開発・応用の場にする「グローバル・ハイドロ・ハブ構想」を策定し、推進している。ウオーター・ハブは同構想の一環として設立され、入居する国内外の企業に対し、水・環境技術の研究・開発ができる環境とビジネス拡大に向けた拠点を提供する。
東芝は、排水に含まれる有害物質や、レアメタル(希少金属)などの有価物を回収できる吸着剤を使った産業用排水処理技術を、2008年から開発している。吸着剤は、水中の有害物質や有価物質を選んで回収する水処理用の粉末で、「機能粉」と呼ぶ。薬品の代替になるうえ再生利用できることから、汚泥処理費の大幅低減が可能になる。
機能粉を活用すると、有価物が回収できる新しい水処理システムが構築でき、東芝はこの技術の世界展開を狙いに、公益事業庁と「機能粉を活用した排水処理プロセスの開発」で覚書を結び、ウオーター・ハブ内に水研究センターを新設する。水研究センター開設を弾みに水処理システム技術の開発を加速させ、海外の水事業を強化する。【(株)東芝】