一般財団法人環境イノベーション情報機構
大和ハウス工業、事業所にリチウムイオン蓄電池を1000台導入してピークシフト実施
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2012.03.28 【情報源】企業/2012.03.26 発表
大和ハウス工業は、全国のグループの事務所、工場など約200事業所にリチウムイオン蓄電池計1000台、2MWh(2000kWh)分を4月10日から順次導入し、電力のピークシフトを実施する。昨夏に続き、今夏も電力需要がひっ迫する恐れがあるため、決めた。特に、深刻な電力不足が予想される関西電力の供給地域の事業所にはうち600台、1.2MWh(1200kWh)分をあてる。全国の原子力発電所が定期点検に入ったまま再稼働できない状態にある中、今後の電力供給不足に対応する。大和ハウスグループが筆頭株主になっているリチウムイオン電池メーカー、エリーパワー製の移動可能なリチウムイオン蓄電池「パワーイレ」を利用する。パワーイレは2kWhの容量があり、1000台で1日最大2MWh(2000kWh)のピークシフトが可能になる。
電力需要が減る午後11時〜翌朝午前7時の8時間、深夜電力を蓄え、ためた電力を電力需要がピークになる午後1〜6時の5時間、事務所のノートパソコンと卓上LED(発光ダイオード)照明に使用する。パワーイレ1台でノートパソコンと卓上LED照明の電力が10人分賄え、1000台で1万人分になる。パワーイレは、商用電源に頼らない独立電源システムや、停電時のバックアップにも活用する。
発電電力のほぼ半分を原発に頼ってきた関電は、全原発が運転を停止したことから他の電力会社と比べて需給がひっ迫する恐れが大きく、関電供給地域に全体の6割分を割り当てる。これによって大和ハウスの事務所の場合、平均約5%のピークカットを見込む。大和ハウスグループは昨夏、輪番休業やLED照明の採用などの節電対策で24%のピークカット効果を挙げている。【大和ハウス工業(株)】