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環境ニュース[国内]

清水建設、廃ブラウン管の破砕ガラスを骨材にする放射線遮へいコンクリート開発

ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2012.03.14 【情報源】企業/2012.03.13 発表

 清水建設は、テレビの廃ブラウン管の破砕ガラスを骨材にする放射線遮へいコンクリートを開発した。厚さ50cmで放射線の遮へい性能は通常のコンクリートの2倍あり、透過率は1%以下になる。ブラウン管のガラスには放射線遮へいを目的に成分が最大25%程度含まれ、テレビ放送の地上デジタル化に伴って大量発生が予想される廃ブラウン管を有効活用する。

 地上デジタル化によって1800万台分のアナログテレビで23万tの廃ブラウン管が発生すると考えられるものの、ブラウン管ガラスには成分が含まれていることから再利用や破棄が容易ではなく、リサイクルが課題だった。清水建設は、放射性遮へい性能のある成分に着目した研究機関からアイデアを提供され、廃ブラウン管ガラスの破砕材をコンクリート骨材に活用する技術を開発した。

 コンクリート骨材は、コンクリートを造る時にセメント、水と練り混ぜる材料を指し、砂利、砂、粉体などで構成。廃ブラウン管ガラスを破砕する際、粒の大きさを調整することで、それぞれの代替骨材にする方法を採る。厚さ50cmで放射線透過率が1%以下になるコンクリートを1m3製造するには、砂利、砂、粉体代替で120台分のテレビに相当する計1.5tを使う。

 開発した放射線遮へいコンクリートは、セシウム汚染土壌の貯蔵容器、貯蔵施設の放射線遮へい壁など、さまざまな用途で活用できる。清水建設は、廃ブラウン管ガラスの効率的なリサイクルに貢献するとともに、東日本大震災からの復興に向け、各方面に放射線遮へいコンクリートを提案していく。ただ、建築基準法の制約があるため、建築構造物への展開は想定していない。【清水建設(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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