一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱電機、使用済みルームエアコンのレアアース磁石回収装置を開発
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2012.02.10 【情報源】企業/2012.02.08 発表
三菱電機は、使用済みルームエアコンのレアアース(希土類)磁石回収装置を開発した。子会社でリサイクル事業のグリーンサイクルシステムズ(GCS、千葉市緑区)に設置して4月に稼働させ、回収を事業化し、磁石メーカーと共同で国内の循環体制を構築する。レアース磁石はエアコンの省エネ性能を高めるために使われるが、調達が難しくなってきている。開発した回収装置は、ルームエアコン用の圧縮機のローター(回転子)に含まれるレアアース磁石を単体で分離できる状態まで自動的に解体する。GCSの既設の圧縮機の分解ラインに連動し、レアアース磁石が効率的に回収できる。使用済みルームエアコンの圧縮機は、三菱電機の家電リサイクル子会社、ハイパーサイクルシステムズ(HCS、千葉県市川市)が供給する。
循環体制は、ルームエアコン使用者からHCSを通してGCSに圧縮機が持ち込まれ、GCSが解体してレアアース磁石を取り出し、国内でリサイクルを行う磁石メーカーに供給する仕組みとなる。三菱電機は国内でのリサイクルを確実にするため、回収したレアアース磁石を自社のルームエアコンに再利用することも視野に入れながら、磁石メーカーと物流体制を整備する。
今後、HCSだけでなく他社のリサイクルプラントからも幅広くGCSで受け入れて事業を拡大するほか、HCSで扱っている使用済みハードディスクからの回収も検討し、レアアース磁石を増やす。レアアースの調達先は中国が中心で、生産・輸出規制によって入手しにくい状態が続いていることから、回収・確保して再利用につなげる。回収装置は経済産業省の設備導入事業の支援を受けた。【三菱電機(株)】