一般財団法人環境イノベーション情報機構
新しい「生物多様性国家戦略」決定される
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2002.03.28 【情報源】首相官邸/2002.03.27 発表
平成14年3月27日、首相官邸で地球環境保全に関する関係閣僚会議が開催され、新しい「生物多様性国家戦略」が決定された。生物多様性国家戦略は、生物多様性の保全と持続可能な利用についての国の施策の基本方針と取組みの方向を定めるもので、生物多様性条約で策定が求められている。
日本では、平成7年10月に現行の国家戦略が決定されたが、この戦略は5年後をめどに内容を見直すこととされているため、平成13年10月に環境大臣が中央環境審議会に対し国家戦略の見直しについて諮問を行い、平成14年3月25日に新国家戦略案について答申がされていた。
今回決定された新「国家戦略」は「自然と共生する社会」実現のための政府全体のトータルプランとして国家戦略を位置付けたほか、絶滅回避・原生的自然保護だけでなく、里山・干潟の保全など国土全体の生物多様性保全の体系化を行っている。
また、生物多様性の問題点を(1)種の減少・絶滅、生態系破壊の危機、(2)里地里山など人間の働きかけにより成立してきた場での自然の質の変化、動植物減少、(3)移入種による日本固有の種への影響−−の「3つの危機」として整理。危機に対する理念と方針を明確化した上で、具体的施策を提示するようにしている。
なお、地球環境保全に関する関係閣僚会議の締め括りにあたり小泉首相は、「決定した国家戦略に基づき、政府、地方公共団体、地域住民、NPO、企業など多くの方々の参画を得て自然と共生する社会を目指した施策を展開できるようお願いしたい」と挨拶した。【首相官邸】