一般財団法人環境イノベーション情報機構
パナソニック、国内の工場緑地で初めてJHEP認証(将来見込型)を取得
【環境一般 CSR】 【掲載日】2010.10.12 【情報源】企業/2010.10.08 発表
パナソニックは、長野県松本市のオートモーティブシステムズ松本工場で、日本生態系協会の生物多様性定量評価手法に基づく「JHEP認証(将来見込型)」を取得した。国内の工場緑地で初めて。工場緑地での取り組み計画が評価され、生物多様性の保全に貢献すると認められた。同工場では社員らが「共存の森活動」を推進している。JHEP認証は、生物多様性に関する活動を展開する財団法人の同協会が、米国内務省で使われる「HEP」を基に生物多様性保全への貢献度を定量評価し、損失がない「ノーネットロス」か、良くなる「ネットゲイン」の取り組みであることを証明する日本で唯一の認証。HEPは事業による影響と代替案の効果を定量比較する手法として米国で開発された。
JHEP認証のうち、事業地の30年以上前に存在した自然環境タイプと現況が異なる場合や、事業地の生物多様性の質を回復させるために基準年から50〜80年必要と予測されるケースでは、通常の認証ではなく、JHEP認証(将来見込型)となる。現況の立地条件でも、生物多様性の保全に向けて適正な活動を行うことによって、将来貢献が見込まれることを意味する。
松本工場は、工場の敷地内で共存の森活動として社員らが緑地作りを行っている。今回、工場で新たに実施する生物多様性保全のための取り組み計画が認められた。今後、共存の森では在来種を残し、人工的に作った園芸種や、他の地域から持ち込まれた外来種の樹木を優先的に間引く。さらに樹林内に立枯れ木を配置したり、芝生となっている一部約250m2をススキの草地に転換して地域本来の生物多様性の回復を目指す。
パナソニックは、JHEP認証(将来見込型)取得について、工場緑地での計画が客観的に評価されたことは生物多様性保全を進めるための第一歩として意義深い、とし、他の工場や事業場の参考になる事例、と強調している。パナソニックは認証を弾みに、工場緑地を対象にした生物多様性保全活動を加速させる。