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環境ニュース[国内]

環境リスク評価のパイロット事業の成果をとりまとめ

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2002.02.05 【情報源】環境省/2002.01.28 発表

 環境省では、化学物質の環境リスク評価の本格的な実施に向け、その方法論の確立を目的とした環境リスク評価のパイロット事業を平成9年度から12年度にかけて実施していたが、このほどその成果について、中央環境審議会の環境保健部会・化学物質評価専門委員会の審議を経てとりまとめを行った。
 化学物質の環境リスク評価とは、評価対象とする化学物質について、(1)人の健康や生態系に対する有害性を特定し、用量(濃度)−反応(影響)関係を整理する「有害性評価」、(2)その物質の人や生態系に対する環境経由の暴露量を見積もる「暴露評価」−−の2種類の評価を行い、双方の結果を比較し、総合的なリスクの程度を判定するという手順で実施される。
 また、本格的な環境リスク評価を実施する際には、(一)多数の化学物質の中から環境リスクが高そうな物質をふるいわけするための「初期評価」を実施した上で、(二)化学物質の有害性・暴露に関する知見を充実させ、環境リスクの低減方策を検討するための「詳細評価」を行う。
 今回のパイロット事業で実施したのは、この中の「初期評価」に当たるもの。具体的にはPRTRパイロット事業の対象物質の中から、有害性に関する知見が文献などに比較的豊富に見出された39物質について評価を行ない、その過程の中で暴露評価、健康・生態リスク評価の作業手順を示したガイドラインの作成も行った。
 なお初期評価の結果、「健康リスクが高い可能性があり、詳細な評価を行う候補」として、アセトアルデヒド、p-ジクロロベンゼン、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、ホルムアルデヒドの4物質が、「生態系へのリスクが高い可能性があり、詳細な評価を行う候補」ディルドリン、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、ホルムアルデヒドの3物質が抽出された。ただし、ディルドリンについては既に化学物質審査規制法により製造・使用が禁止され、環境中への残留量が減少する見込みであるほか、室内空気汚染物質として知られているアセトアルデヒド、p-ジクロロベンゼン、ホルムアルデヒドの3物質については、厚生労働省の室内濃度指針値の設定を含め、健康リスクの低減対策が進められつつあるため、環境省では「当面、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)の健康リスクと、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)とホルムアルデヒドの生態リスクについて、詳細評価を行う必要がある」との判定を行った。【環境省】

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