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環境ニュース[国内]

国別気候保全プログラムを閣議決定

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】/2000.10.18 発表

 ドイツ連邦政府は、10月18日、国家気候保全プログラム(natinales Klimaschutzprogramm)を閣議決定。
 これまで、ドイツ政府は、1998年の政権交替後、環境にやさしい税制改革、再生可能エネルギー法の制定等、気候保全活動に積極的に取り組んできた。
 しかし、前政権時代に採られた政策では、1995年のベルリンの気候サミットで自ら約束したCO2削減目標値(2005年までに対1990年比で25%削減すること)を実現できないと考えられてきた。前政権の政策では、CO2削減率は、15%ー17%に止まり、政権交替後に導入された諸措置を加えることで、この値が、18%ー20%上昇すると予測されていた。そして、これでも削減目標値に達しないため、残りの5%ー7%分(5000万トン-7000万トンに相当する)を削減するための一層の努力が求められていた。
 こうした状況の下、今回決定されたプログラムでは、この目標を実現するための方針を具体化させた。
 5000-7000万トンの削減目標値は、一般家庭・建築部門、エネルギー経済・産業界部門、交通部門の3部門に、それぞれ、1800万-2500万トン、2000万-2500万トン、1500万-2000万トンずつ割り当てられ、具体的に、以下の措置を導入することが決定された。

 1)コージェネレーション(Kraft-Waerme-Kopplung)の拡充
  2001年中頃までに、法律規定を整備して、2005年までに、CO2排出量を1000万トン程度(2010年までに、2300万トン程度)削減する。
 2)エネルギー節減令の制定
新築建築物のエネルギー需要量を、従来に比べ、平均30パーセント 低減させる。
 3)建物改築のためのプログラム
   建物改築を促すために、毎年、4億マルク(200億円)の低利融資を行い、2005年までに、CO2排出量を500−700万トン削減する。
  (2003年まで実施。2004年度の予算審議に際して継続か否かを決定する。)
 4)環境と気候にやさしい新エネルギー開発と実演への助成。
   燃料電池の分野を中心に、毎年、1億マルク(50億円)を助成する(2003年まで実施)。
 5)経済界の自主的な取り組みの強化
「気候への配慮に関する連邦政府とドイツ経済界の合意 (Vereinbarung zwischen der Bundesregierung und der deutschen  Wirtscaft zur Klimavorsorge)」によれば、2005年までに、ドイツ経済界に関わる特定CO2排出量を、対1990年比で28%(1000万トンに相当) 削減し、その他の温室効果ガスを2012年までに35%(1000万トンに相当)削減することが予定されている。経済界のこうした自主的な取り組みをこれまで以上に促進する。
 6)鉄道への助成
   ドイツ鉄道のインフラ整備のために、3年間、毎年、20億マルク(1000億円)を助成する。
 7)効率の高いエネルギー生産手段に対する競争上のハンディキャップの除去効率の高いガス・蒸気発電所に対する税制上の取り扱いを、石炭火力発電所や原子力発電所と等しくする。
 8)重量トラックに対するアウトバーン利用料金徴収制度の導入(2003年から)
 9)低燃費自動車に対する自動車税の優遇
 10)車両への新技術搭載を促すための自動車業界との合意の締結
 11)排出量に応じた飛行場使用料金制度の導入


 その他、プログラムには、政府活動により生じるCO2の排出量削減に関する取り決めや、CO2以外の温室効果ガスを削減するための諸措置も盛り込まれている。
 政権交代後のドイツは、前政権下の停滞期を抜け出して、気候保全の分野で先駆的役割を果たす、と連邦環境大臣は意気込んでいる。【ドイツ連邦環境省】

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