一般財団法人環境イノベーション情報機構
臭素系ダイオキシン類パイロット調査の結果公表
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2001.11.30 【情報源】環境省/2001.11.30 発表
環境省は、平成12年度に行った臭素系ダイオキシン類に関するパイロット調査の結果をとりまとめた。臭素系ダイオキシンは通常のダイオキシン類の「塩素」の1つ以上が「臭素」に置き換わった物質。臭素系難燃剤が混入している家電製品のプラスチックなどが不完全燃焼すると発生するといわれている。毒性は通常のダイオキシンと同程度とされているが、具体的な毒性評価や実態調査などはこれまで行われていなかった。このため、ダイオキシン類対策特別措置法の末尾にも検討事項として「政府は、臭素系ダイオキシンにつき、人の健康に対する影響の程度、その発生過程等に関する調査研究を推進し、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」との一文が加えられている。
今回の調査は、まず調査地域として、「焼却施設周辺地域」「それ以外の一般都市地域」「対照地域」の3地域を設定し、これらの地域で大気、降下ばいじん、土壌、地下水、水質、底質、魚介類、鳥類・ほ乳類、食事試料の9媒体を採取、臭素系ダイオキシン類の測定を行う方法をとった。
調査の結果、臭素系ダイオキシン類は、「焼却施設周辺地域」と「一般都市地域」の媒体の一部から検出されたが、対照地域では、いずれの媒体からも検出されなかった。また、媒体別の検出結果としては、大気、降下ばいじん、土壌、底質、水生生物から検出され、地下水、水質、野生生物、食事試料からは検出されなかった。 【環境省】