一般財団法人環境イノベーション情報機構
光透過式黒煙測定器によるPM検査開始へ 19年9月以降の型式認証ディーゼル車から
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2007.07.31 【情報源】国土交通省/2007.07.31 発表
国土交通省は平成19年7月31日、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」などを改正し、19年9月(輸入車は20年8月)以降の型式認証ディーゼル車から、「オパシメータ(注1)」を使用した排出粒子状物質(PM)検査を開始すると発表した。従来の車検では、ディーゼル車から排出されるPMを検査する場合に、黒煙測定器(注2)を使用した黒煙濃度測定が行われていたが、排ガス低減技術が進み、黒煙がほとんど排出されなくなっている最近のディーゼル車に対しては、黒煙測定器による測定が難しくなってきていた。
オパシメータによるPM検査は、強化されたPM規制値に十分対応できるほか、黒煙以外に排出割合が増え、測定が重要になってきている軽油や潤滑油の未燃焼分である有機性可溶成分(SOF成分)の測定も可能となる。
「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の改正内容で設定されたオパシメータによる検査規制値は「光吸収係数(単位:m−1)0.80」。ただし、22年9月30日までは黒煙測定器で黒煙による汚染度が25%以下と測定されて入れば、基準適合とみなされる。
また、19年8月(輸入車は20年7月)までに、黒煙測定器により型式認証を受けたディーゼル車については、従来通り黒煙測定器による検査を行うが、オパシメータによる合格判定も行うことができることになった。
(注1)光透過式黒煙測定器。排出ガス中に光を透過させて、その透過率から排出ガス中の黒煙・SOF成分の濃度を測定する。
(注2)排出ガス中の黒煙を付着させた「測定原理紙」に光を反射させて、その反射率の透過率から黒煙濃度を測定する測定器。