一般財団法人環境イノベーション情報機構
豊能郡美化センター元職員らの血液中ダイオキシン類濃度 18年度は10年比の38.0%に低減
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2007.04.20 【情報源】厚生労働省/2007.04.20 発表
厚生労働省は(1)大阪府豊能郡美化センター元職員らの血液中ダイオキシン類濃度の平成18年度追跡調査結果、(2)全国の廃棄物焼却施設職員に対して行った血液中ダイオキシン類濃度調査の18年度分析結果をまとめ、19年4月20日付けで公表した。この調査は同省が中央労働災害防止協会に設置した「清掃作業従事者のダイオキシンばく露による健康影響に係る調査研究委員会」で実施しているもの。
豊能郡美化センターについては、9年に同センターの一般廃棄物焼却炉の欠陥が原因となった周辺地域の高濃度ダイオキシン汚染が判明。廃炉が決定し解体されたが、10年にセンター元職員らを対象に調査を実施したところ、血液中のダイオキシン濃度平均値が一般住民のほぼ10倍にあたる脂肪1グラムあたり286.3pg−TEQの高濃度となっていることが明らかとなり、その後継続的に追跡調査が行われてきた。
今回の公表内容によると、豊能郡美化センター元職員らの血液中ダイオキシン類濃度は、調査初年度の10年度から比べると年々減少傾向にあり、10〜18年度まで継続的に調査を実施している13名の濃度平均値は、10年度調査値の38.0%にあたる脂肪1グラムあたり105.6pg−TEQとなっていた。
一方、全国の廃棄物焼却施設職員を対象とした健康影響調査は11年度から実施されているもので、18年度は一般廃棄物焼却施設1施設で働く20名を対象に調査。20名の血液中ダイオキシン類濃度の平均は、脂肪1グラムあたり19.8pg−TEQで、16年度に環境省が行った一般住民の測定値と同程度であった。【厚生労働省】
(注1)豊能郡美化センター元職員らの18年度調査実施者の総計は16名だが、10年度から継続して調査を行っているのは13名。16名のうち、血液中ダイオキシン類濃度の分析が可能な15名の血液中ダイオキシン類濃度は平均99.9pg−TEQだった。なお、この16名はいずれも、現在焼却作業には従事していない。