一般財団法人環境イノベーション情報機構
岩屋ウィンドファーム発電所の風車倒壊 事業者が事故最終報告を提出
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2007.03.20 【情報源】原子力安全・保安院/2007.03.16 発表
岩屋ウィンドファーム発電所(青森県東通村)で平成19年1月8日に風車倒壊事故が発生した件について、発電所の事業者である(株)ユーラスエナジー岩屋は平成19年3月16日に、事故に関する最終報告を、関東東北産業保安監督部長に提出した。青森県東通村の岩屋地区では1月8日午後9時50分頃に停電事故が発生。
東北電力(株)が調査・点検を行ったところ、ウィンドファームに設置している風車25基のうち、「11A号機」1基が基礎部から倒壊していることが1月9日午前0時過ぎに確認された。
「11A号機」は高さ68メートル、翼の長さ29メートル、出力1,300キロワットの風車で、18年末から機器トラブルにより運転を停止していた。
また通常は秒速60メートルの風に耐えるように設計されているが、倒壊前10分間の平均風速は秒速16〜20メートルにすぎなかった。
今回の報告は、さまざまな要因が重なった結果、風車が過回転状態となり、設計条件を上回る荷重が風車基礎に作用したために風車倒壊が発生したと原因を説明。さらに過回転に至った主要因は、(1)ピッチ固定用ブロックが取付け作業の不備により脱落したこと、(2)二重化されたピッチ固定機能の一方が破綻し他方を破損させたこと、(3)風車での不具合発生を把握し適切な対応をとる体制ができていなかったこと−−にあるとの分析を示した。
この原因にもとづいた再発防止策としては、(一)ピッチ固定用ブロック脱落防止措置と措置の実施管理作業の実施、(二)ブレード操作ピッチシリンダーの油圧保持によるピッチ固定機能の確保、(三)特定の風車の不具合に即応可能な監視システムと運用ルールの整備−−があげられている。
なお原子力安全・保安院は関東東北産業保安監督部長を通じ、同社に対し、上記報告書に記載されている再発防止策をできるだけ速やかに措置すること、風車の保守管理を徹底することを指示。また、現在実施している風車の技術基準見直しに向けた検討の中に、今回の報告書の内容を反映させていくこととしている。【原子力安全・保安院】
プレスリリース
関連情報
関連リンク
- 原因特定は至らず 岩屋ウィンドファーム発電所の風車倒壊に関する事業者の中間報告 (EICネット 国内ニュース)
- 岩屋ウィンドファームに関する原子力安全・保安院からの指示について (平成19年3月16日 (株)ユラスエナジーホールディングスホームページ)
- 岩屋ウィンドファーム風車倒壊事故の調査結果と再発防止対策について (平成19年3月16日 (株)ユラスエナジーホールディングスホームページ)
- 岩屋ウインドファーム風車倒壊事故に関する中間報告書の提出について (平成19年2月6日 (株)ユラスエナジーホールディングスホームページ)
- 岩屋ウィンドファーム発電所で風車倒壊 保安院が事業者に原因究明を指示 (EICネット 国内ニュース)