一般財団法人環境イノベーション情報機構
IMO国際会議で有機スズ系船舶用塗料使用規制のための新条約が採択
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2001.10.09 【情報源】国土交通省/2001.10.09 発表
2001年10月1日から5日にかけて、英国ロンドンの国際海事機関(IMO)本部で、「船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際会議」が75か国の参加により開催された。今回の会議ではTBT(トリブチル・スズ)などを含む有機スズ系船舶用塗料の使用を規制するための新条約「船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約」が日本の提案により審議され、採択された。
条約の内容は(1)2003年1月1日以降、TBT船舶用塗料の新たな塗布を禁止、かつ2008年1月1日以降、既に塗布されているTBT船舶用塗料も船体から完全除去するか、海水へ溶出しないよう塗膜を塗布などの措置をとる、(2)今後、TBT船舶用塗料以外の塗料等が有害と判断される場合には、規制対象に追加する、(3)船舶が規制対象の塗料を塗布しているか、旗国(船舶を登録している国)が確認を行い、検査合格船舶に証書を発給−−などの内容が盛り込まれている。
TBT船舶用塗料は海洋生物へ与える有害性、環境ホルモンの疑いが指摘されており、日本では1992年に国内造船所でのTBT船舶用塗料塗布の使用自粛、1997年に国内塗料工場での製造中止などの規制が進められている。
なお、この条約は、25か国以上が批准し、さらにそれらの国の船腹量の合計が世界の船腹量の25%以上に達した日から12か月後に発効する。【国土交通省】