一般財団法人環境イノベーション情報機構
福島第一1号機でデータ改ざんが判明 復水器出口海水温度1℃下げるよう設定
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.12.06 【情報源】原子力安全・保安院/2006.12.05 発表
東京電力(株)福島第一原発1号機の復水器出口海水温度(注1)に関するデータ改ざんが平成18年12月1日に確認され、同5日までに原子力安全・保安院に報告された。このデータ改ざんは、水力発電施設での測量データ改ざん、無届け改修工事の実施、火力・原子力の発電設備での冷却用海水の温度測定値の改ざんなど、発電施設での不正行為が次々にあきらかになったことを踏まえ、保安院が18年11月30日付けで一般電気事業者らに指示した、水力、火力、原子力発電設備の点検の過程でみつかったもの。
プラントの運転状態を監視・記録している「プロセス計算機」という装置で、復水器出口の海水温度を実際より1℃下げるよう設定していたという。
なお、報告を受けた保安院は、測定値が安定していることから、「これまでの検査結果に対する判定には影響しない」との見解を示したが、電気事業法や原子炉規制法に基づき、12月5日付けで、(1)改ざんが行われた事実関係、原因、再発防止策、(2)東電の他の発電設備で同様の改ざんがないか−−を調査の上、報告するよう指示した。報告結果によっては、厳正に対処するとしている。
(注1)原子力発電所では、タービンで使用された蒸気の冷却用に、取水口から海水を取水し、復水器で熱交換した後に放水口から温排水として海に戻している。また取水した海水温度と放水した海水温度を監視している。【原子力安全・保安院】