一般財団法人環境イノベーション情報機構
アスベスト被害救済制度の医学判定 49件への適用、56件の判定保留が決定
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.10.13 【情報源】環境省/2006.10.13 発表
環境省は平成18年10月13日、(独)環境再生保全機構から要請があった113件(注1)の中皮腫・肺がん罹患事例について、アスベスト被害救済制度を適用すべきかどうかの医学判定を行った。「アスベスト救済法」では、時効により労災補償の対象とならないアスベスト健康被害認定患者に環境再生保全機構を通じ、医療費などの救済給付金を支払うとしている。患者の認定は、環境再生保全機構から医学判定の申し出が行なわれた事例に対して、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いた上で判定を行い、この判定結果にもとづき、機構が行うことになっている。
今回、判定が求められた事例は、中皮腫に罹患したとされる事例110件と、肺がんに罹患したとされる事例3件。
判定の結果では、うち49件(いずれも中皮腫として申請)が「アスベストが原因で中皮腫・肺がんにかかった」、8件(中皮腫5件、肺がん3件)が「アスベストが原因とはいえない(中皮腫ではない)」とされたが、残り56件(いずれも中皮腫として申請)は「アスベストが原因で中皮腫・肺がんにかかったかどうか不明であり、判定を保留する」とされた。
これまでの判定分とあわせると、救済対象とする罹患事例の累計は291件(中皮腫231件、肺がん60件)。
判定保留のケースが多かったのは、これまでの判定同様、判定に必要な医学的資料が十分整えられていなかった事例が多かったためで、これらの事例に対しては、(独)環境再生保全機構が申請者や医療機関に必要資料の追加提出を求め、改めて判定を行うことになる。
(注1)うち23件は以前に判定保留とされたもの。今回資料が提出があったため、改めて判定された。【環境省】