一般財団法人環境イノベーション情報機構
国産農産物を通じた鉛、ヒ素、水銀摂取状況試算結果を公表 15・16年度調査分
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.03.10 【情報源】農林水産省/2006.03.10 発表
農林水産省は平成15・16年度の国産農産物の鉛、ヒ素、水銀の含有実態調査の中間報告を18年3月10日までにとりまとめ、「日本人の大人1人が平均的に摂取している鉛、総ヒ素、総水銀の量が、専門機関が健康に影響を与えない量として定めた量より十分に小さい」との評価を公表した。鉛、ヒ素、水銀は、自然界にもともと存在していたものや、産業活動の結果、排出されたものが土壌や大気などの環境中に含まれているため、農産物からも検出される可能性がある。
今回の実態調査は15年度から開始されたもので、米、小麦、大豆、日本で消費量が多い野菜20品目、果実8品目を調査対象に、15年〜17年の3年間で、米については約600点、小麦と大豆については各約300点、野菜や果実については各品目ごとに約100点の試料を採取して調査を行った。
得られた分析値を基に算出した、鉛、総ヒ素、総水銀の品目別平均値は、鉛で1キログラムあたり0.01〜0.04ミリグラム、総ヒ素で1キログラムあたり0.003〜0.16ミリグラム、総水銀で1キログラムあたり0.0003〜0.003ミリグラム。
この数値から、さらに大人1人あたりの平均的な摂取量を試算すると、鉛では週体重1キログラムあたり1.9マイクログラム(15年度)と1.6マイクログラム(16年度)、総ヒ素では週体重1キログラムあたり4.4マイクログラム、総水銀では週体重1キログラムあたり0.11マイクログラムとなり、それぞれ、(1)JECFA(WHO/FAO合同食品添加物専門家会議)が評価した鉛の暫定耐容一週間摂取量の1割以下、(2)JECFAが評価した無機態ヒ素の暫定耐容一週間摂取量の3割程度、(3)食品安全委員会が評価した妊婦を対象とするメチル水銀の耐容一週間摂取量の1割以下−−に相当したという。【農林水産省】