一般財団法人環境イノベーション情報機構
水田排水中のダイオキシン類濃度 年間負荷は低いことが判明
【健康・化学物質 ダイオキシン】 【掲載日】2001.08.31 【情報源】環境省/2001.08.31 発表
水田を中心として土壌中に残留するダイオキシン類が、水域へ移行しているかどうか実態を把握するために、環境省が平成12年度に実施していた調査の結果がまとまった。今回の調査では、4都道府県の農業試験場内の水田で、6月、7〜8月、9月とそれぞれ3回ずつ調査を実施した。
その結果、一区画の水田からの排水中のダイオキシン類濃度は、1回目(6月)に測定した濃度が2回目(7〜8月)、3回目(9月)に比べて高い傾向が認められ、代かきや田植え作業に伴う土壌粒子の巻き上げの影響が大きいものと推察された。
このように(1)比較的高い濃度の排水は、代かき・田植え時などの短い期間に限られていること、(2)農業排水路で土壌粒子の沈降や希釈が見込まれること(3)水田には作付けされていない非灌漑期もあること−−などの要素から、環境省では、水田から排出されたダイオキシン類が公共用水域で水質環境基準1リットルあたり1pg−TEQ(年平均評価)を超える可能性は低いと結論づけている。
また、水田土壌中のダイオキシン類残留量に占める排水からの年間排出量の割合は0.0021%及び0.0031%と試算され、土壌残留量に対する排水中の量は非常に小さいものと推定された。【環境省】