一般財団法人環境イノベーション情報機構
化学物質過敏症の原因特定できず 環境省研究班による実験で
【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2001.08.24 【情報源】環境省/2001.08.24 発表
環境省は本態性多種化学物質過敏状態(化学物質過敏症)の原因や発病の機構を解明するための実験結果をまとめた報告書を公表した。同省では、平成9年に本態性多種化学物質過敏状態についての研究班を設置し、平成12年2月に国内外の文献調査結果を報告書としてとりまとめたが、この報告で、化学物質過敏症についての一定の定義や客観的な診断基準がない状況であることが指摘されており、病態が化学物質により誘発されるものであるかなど、原因や発病の機構を解明すべきと結論づけがなされていた。
今回の報告では、この指摘を踏まえ、患者8名・非患者4名に対し、原因物質と思われるガスを濃度を変えながら暴露した場合の濃度と症状との相関を調べる実験などを行ったが、結果としては、人によって自覚症状がさまざまで、原因についての明確な判断が出来なかった。
このため同省では、今後対象者数を増やして実験を続けていくとともに、今回の対象者に対しても同一試験を再実施し、症状の再現性を検証していく調査を行う予定としている。【環境省】