一般財団法人環境イノベーション情報機構
一級河川中の環境ホルモン濃度、16年度調査結果を公表
【健康・化学物質 環境ホルモン】 【掲載日】2005.08.05 【情報源】国土交通省/2005.08.02 発表
国土交通省は平成17年8月2日までに、全国の一級河川で内分泌撹乱物質と疑われている物質がどの程度検出されるかについての16年度調査結果をまとめ、公表した。同省では10年度から内分泌撹乱物質の河川での検出状況調査を試行的に行っていたが、14年度にこれまでの調査を総括し、調査項目・調査地点の選定のしかた、重点調査濃度(注1)の設定など、今後の調査の基本となる考え方を提示。以降はこれに基づき調査を実施している。
今回の調査は全国の94地点(注2)で水質、22地点で底質の調査を行った。
調査の結果では、水質調査で調査対象物質のいずれか1つが検出された地点が28地点あり、12地点で重点調査濃度を上回る値が観測された。12地点のうち7地点は今回の調査で新たに汚染が確認された地点であったが、一方で15年度調査で重点調査濃度を上回っていた22地点中17地点で重点調査濃度を下回っていた。
12地点のうち、物質別に重点調査濃度を超えた地点を見てみると、エストロンの11地点が最も多く、ノニルフェノール、17β-エストラジオールはそれぞれ1地点。
底質については22地点中、8地点でベンゾ(a)ピレンが検出された。
(注1)重点調査濃度=国交省河川局が重点調査実施のめやすとして独自に設定した基準値。ベンゾ(a)ピレンなど重点調査濃度が設定されていない物質もある。
(注2)一般地点37地点、過去の調査で重点調査濃度を超えた重点調査地点57地点。一般地点では、内分泌攪乱作用が確認された5物質については3年に1回、内分泌攪乱作用が疑われる物質については6年に1回、各物質を交替で調査。一方、重点調査地点の調査頻度は毎年1回。【国土交通省】