一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連食糧農業機関、人口増に対応した食料農業システムへ白書を発表
【環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2025.12.18 【情報源】国連/2025.12.01 発表
国連食糧農業機関(FAO)は、「食料農業のための世界の土地・水資源に関する白書2025」(SOLAW 2025)を発表した。2050年に97億人、2085年に103億人のピークに達すると予想されている世界人口を養う食料農業システムの実現のため「インプットを減らし増産へ」を掲げる。
増産は一方で、土地・土壌・水など有限な資源の劣化や枯渇をもたらす可能性がある。
白書は農地の拡大はもはや不可能だが、持続可能な土地・土壌・水管理による営農により将来人口を養う潜在力はあるとする。
その実現には、潜在的な生産力の開発や地域に最適な資源活用型・保全型・乾燥耐性営農が有効とし、具体的に天水農業、土壌水分涵養、作物多様化、アグロフォレストリー、輪牧、飼料の改善、稲作養魚、有機堆肥などを示す。
持続可能な食料農業システムの確立は、生物多様性、砂漠化、気候変動の三大課題の解決にもつながるという。
白書は、一貫した政策と強力なガバナンスに基づくデータ・技術の提供、イノベーション、リスク管理、資金の提供、能力構築の総合的な実施の重要性を強調している。
【国連食糧農業機関】