カナダ・コスタリカ　自由貿易協定とセットで環境協力協定締結

【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2001.05.07 【情報源】カナダ／2001.04.23 発表

　カナダのクレティエン首相は、4月23日、カナダとコスタリカが自由貿易協定（The Canada-Costa Rica Free Trade Agreement）にサインしたと発表した。同協定は、工業製品や農産物について、両国に市場アクセスをもたらすもの。ただし、両国の経済規模、発展状況の違いを考慮して、カナダは、コスタリカに先行して市場開放を進めるという。
　同時に、両国は、環境協力協定（the Canada -Costa Rica Agreement on Environmental Co-operation）、労働協力協定（the Canada -Costa Rica Agreement on Labour Co-operation）にもサインした。環境協力協定は、貿易競争のために環境基準の切り下げが行われないよう、両国が、法律によって質の高い環境保全を保証し、環境法令を効果的に執行するよう求める。また、透明性を確保するために、環境法令や行政規則を速やかに公表すること、また、パブリックコメント募集のために、できる限り早い段階で法案や規則案を公表することとしている。さらに、個人やＮＧＯが、両国に対し、環境規制の効果的な執行について、対応を求めることができるプロセスも盛り込まれており、意見聴取や対応の概要について公表することとなった。
　環境協力事業の優先事項としては、環境マネジメント・システム、環境政策立案に当たっての公衆参加の強化、生物多様性保全分野における効率性向上と変革の推進、自然資源の持続可能な利用が挙げられている。
　今回の協定をめぐるカナダ政府とコスタリカ政府の交渉は、2000年６月から開始され、2001年４月上旬に終了した。【カナダ首相官邸】