一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス気象庁、現行政策では今世紀の排出だけで2300年に0.8m海面上昇すると報告
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2025.11.11 【情報源】イギリス/2025.10.23 発表
イギリス気象庁は、21世紀半ばまでに大幅な排出削減を達成すれば、長期的な海面上昇を低減できるとする研究を紹介した。従来の研究は、時間枠を2100年までとするが、この研究は、CO2排出の海洋と氷床への影響は何世紀もの長期にわたり継続するとして、次のように2300年の海面上昇を予測する。
現行の政策下では、2020〜2050年の排出により、海面は2300年までに0.3m上昇する。
さらに2090年までこのまま排出が続けば、2300年に0.8m上昇する。
しかし、この海面上昇を食い止める機会はまだ残されているとして、研究は即刻の排出削減対策の強化を要請する。
パリ協定に沿った排出削減策の実施により上昇のうち0.6mは回避可能であり、0.6mの上昇回避で人類は一部の低地の沿岸地域や島嶼に住み続けることができる。
研究は、国際応用システム分析研究所(IIASA)ほかイギリス、ベルギー、オランダ、ドイツの研究者の共同研究で、Nature Climate Changeに登載された。
【イギリス気象庁】