一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、胎児への健康リスク回避のため農薬ダクタールの使用停止を緊急命令
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2024.08.20 【情報源】アメリカ/2024.08.06 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、「連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法」(FIFRA)の下、農薬ジメチルテトラクロロテレフタレート(DCPA、ダクタール)の全登録を緊急停止すると発表した。こうした緊急措置は約40年振りで、直ちに発効する。停止理由は、妊婦がDCPAに曝露した場合、胎児の甲状腺ホルモン値に変化をきたす可能性があるためで、この変化は一般的に低出生体重や脳の発達障害、IQの低下等につながり、不可逆的な障害になることがあるという。
DCPAは、農業および非農業環境で雑草を防除する農薬として登録されているが、主にブロッコリー、キャベツ、タマネギ等の作物に使われている。
現在DCPAは、15年毎に義務付けられている登録の再審査中で、EPAは2013年にDCPAの唯一の製造業者AMVAC社に対し、登録を裏付ける様々な研究データを要求。
約10年後、ようやく甲状腺の分析結果が提出され、EPAは農作業や住宅におけるDCPA含有製品の曝露リスクを評価。その結果、深刻なリスクが胎児にまで及ぶことが判明した。
【アメリカ環境保護庁】