一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、鉛含有塗料の廃絶を後押しするための改質技術ガイドラインを公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2022.06.14 【情報源】国連/2022.05.25 発表
国連環境計画(UNEP)は、中小塗料メーカーが塗料から鉛成分を段階的に廃絶するのを支援するための鉛含有塗料改質技術ガイドラインを公表した。原料の代替や改質のプロセスに関する一般情報のほか、代替原料や試験基準、ケーススタディといった関連情報とともに改質の方法を提示している。すでにガイドラインの内容に基づいた実証実験が22のメーカーで完了しており、改質の実用性が示されるなどガイドラインの有用性は実証済みだという。UNEPによると、鉛への曝露は神経学的損傷を引き起こし、知能指数の低下や行動障害の増加が懸念される。中でも鉛含有塗料は子供や環境にとって大きな曝露源である。鉛を添加せずに塗料を生産することはできるが、技術面や鉛の危険性、鉛を含まない代替品の調達先についての知識、及び法規制の欠如によって世界中の多くの中小塗料メーカーが鉛含有塗料の生産を続けているという。UNEPは、世界の塗料市場のシェアの58%を占める中小メーカーに塗料の改質に向けた取組の中心になってもらうことが重要だとしている。【国連環境計画】