一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州化学物質庁、泡消火薬剤中のフッ素化合物PFASsのEU域内での販売、使用及び輸出の禁止を提案
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2022.03.14 【情報源】EU/2022.02.23 発表
欧州化学物質庁(ECHA)は、泡消火薬剤に界面活性剤として添加されるPFASs(パーフルオロアルキル化合物とポリフルオロアルキル化合物)をEU域内で販売、使用及び輸出することを禁止する内容の提案をした。PFASsは「永久に残る化学物質(フォエバーケミカル)」と言われ、分解せずに環境中に残留し土壌・地下水さらに人体を汚染する。提案は、意見公募とリスクアセスメント・社会経済分析の両委員会の検討を経て欧州委員会で決定される。実施後、環境中へ放出されるPFASsは、30年間に1万3000トン削減され、この間の社会的コストは、PFASフリーの泡消火設備設置費、残留PFAS除去費、代替品との価格差など70億ユーロと推計される。EUは、化学物質戦略においてPFASs対策を最重要視し、全種類の段階的廃止を約束している。今回の提案はその一歩で、今後規制は拡大される。すでにオランダ、ドイツ、デンマークなど5ヶ国がそのための作業を開始しており、2023年1月にECHAへ提案が提出される予定である。
【欧州化学物質庁】