一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、ラドンが引き起こす肺ガン死を防ぐ行動計画の進捗を報告
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2021.06.08 【情報源】アメリカ/2021.05.20 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は「国家ラドン行動計画(NRAP)」がラドンを原因とする肺がんによる死者を年間2000人削減することに寄与したとする報告書を公表した。NRAPは連邦政府、産業界、非営利団体など14機関が参加する官民パートナーシップとして2015年に発足した。NRAPに先立って2010〜2015年には「連邦ラドン行動計画」が実施されたが、NRAPは健康、科学、技術の専門家の参加によって行動の領域や範囲を拡大した。策定当初に掲げた、高ラドン住宅の500万棟削減と年間3200件の肺ガン死亡数削減という目標は実現できなかったとはいえ、NRAPは建築基準法の改定、州政府のガン計画を通じたラドン対策の推進などによってラドンによる肺がん死亡数減少に寄与してきた。特に、NRAPが支援した連邦住宅局(FHA)の集合住宅用モーゲージ保険プログラムによるラドン検査と改修工事の新たな要件は大きな成果をあげた。今後はラドン要件を住宅融資政策と建築基準に組み込むことをめざしていくという。【アメリカ環境保護庁】