一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、西アフリカへの低質燃料輸出に対し規制強化を要請
【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2018.07.25 【情報源】国連/2018.07.09 発表
欧州から西アフリカへ硫黄分の多い低質燃料が輸出されているとするオランダ政府の報告について、国連環境計画(UNEP)は同国政府の問題把握と積極的な対応を称賛した。報告によると、西アフリカ市場に向けたガソリンとディーゼルには、輸入国側の規制が緩いことを悪用して、製油所や石油化学産業の低質な原料が混合されているという。サンプリングした燃料には欧州の基準で認められる水準の300倍の硫黄分が含まれていた。硫黄分の多い燃料は、肺がんや喘息など呼吸器疾患の原因となる。この調査を実施したオランダ社会基盤・水管理省の人間環境・運輸検査局は、報告をオランダ議会に提出するとともに、化学物質の登録、評価、認可、制限に関する義務の遵守強化に向け、オランダのタンク貯蔵会社協会と協議している。UNEPは、西アフリカ諸国の燃料基準の引き上げに政府や経済団体と共に取り組んでいるところだが、ソルハイムUNEP事務局長は、輸入国の基準を満たしているからといって健康リスクの高い製品を販売すべきではないと指摘している。【国連環境計画】