一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、2017年重点報告書を公表。室内空気による健康リスクを警告
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2017.08.07 【情報源】ドイツ/2017.07.24 発表
ドイツ連邦環境庁は、年次報告書「2017年重点」を公表した。ここでは、特に室内空気の悪化による健康リスクについて警告を発している。これは、室内空気に関連する建材に対する審査で特に揮発性有機化合物(VOC)の排出に厳格な基準を設けていたドイツ建築基準協会(DIBt)の認証マークの利用を禁じた欧州司法裁判所の決定を背景にしたもの。欧州委員会の提案では溶媒やその他の化学補助物質からのVOC排出は考慮されないことから、クラウツベルガー長官は、「ドイツが維持する高い基準は危機的状況にある。我々は日常生活の80%を室内で過ごしている。消費者は、住居や幼稚園、仕事場で使用されている建築素材が健康に問題でないものであることを知るために、明確なマークを必要とする」と述べた。報告書ではまた、農業からの硝酸塩の飲料水への混入により、ドイツ国内の飲料水の値段は将来的に大幅に値上がりすることが示され、さらに国家持続可能戦略目標(2030年までに1ヘクタールあたりの窒素過剰量を最大70キログラム)の達成については懐疑的であることが述べられている。また、気候保護も重点のひとつとして掲げられており、クラウツベルガー長官は、政治に対し、気候保護目標から目を逸らさぬように訴えた。【ドイツ連邦環境庁】