一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連など、気候変動によって悪化している健康リスクとその予防策を報告
【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2017.04.26 【情報源】国連/2017.04.12 発表
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)や世界保健機関(WHO)などは、気候変動による健康への悪影響が世界中で増大しているが、国際的協調によってその影響を一部回避することも可能だと報告した。報告は、1)子どもや高齢者、移民など、気候変動に特に脆弱な階層があり、気候変動が引き起こす健康問題の社会経済的コストは大きい、2)多くの伝染性疾患は気候変動の影響を受けやすい、3)マラリアやデング熱など多くの疾患で気候変動によって流行の季節が長期化し、地理的範囲も広がる、4)気候変動による熱波その他の極端現象で、新たな健康問題が出現する、5)洪水や干ばつといった気候変動の影響で、アフリカ、アジア、南米の途上国で栄養状態の低下が懸念される、とした課題を挙げる。これに対し、食糧問題の分析や病原体の調査、必要な保健施設の優先度評価などを国際協力によって実施することや、国別適応計画への健康の組み入れ、一般市民の意識向上策の実施を解決策の例として取り上げた。
この報告書は、UNFCCCの「気候変動の影響、脆弱性及び適応に関するナイロビ作業計画(NWP)」の下で、各国政府、WHOその他の関係専門機関が協力して作成した。NWPは、気候変動への適応に関する知識や情報をまとめて普及を図り、科学、政策、実務の共同作業を促し、適応のための学習を促すなどの活動を行っている。【国連気候変動枠組条約】