一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 森林土壌に蓄積する有害物質を示す地図を公開
健康・化学物質】 【掲載日】2015.08.05 【情報源】ドイツ/2015.07.21 発表
ドイツ連邦環境等は、森林土壌に蓄積する有害物質を示す地図を公開した。ドイツの国土30%を占めている森林は、動植物の生息空間や酸素の生産、雨水の浄化など重要な機能を持っている一方で、森林土壌は有害物質を蓄積し、環境負担を示す良い指標になるという。今回公表された新しいインタラクティブタイプの地図により、森林土壌における長期的な有害物質による負担を調査する。すでに、採掘現場や工場、家庭において長期にわたり利用されてきた多環芳香族炭化水素や30年以上前にドイツ国内で禁止されたPCBポリ塩化ビフェニル、またドイツ国内で1985年を最後に使用されていない殺虫剤DDTが、森林土壌中に確認されている。ザールランドやルーツ地帯、ビターフェルト=ヴォルフェン には、はるか以前に禁止されている物質が部分的に高濃度で残留していることが明らかになっているが、そのほとんどの地域におけるこれらの物質の値は、連邦土壌保護令の予防値よりも下回っている。クラウツベルガー連邦環境庁長官は、「データでは、市民への直接的な危険は示していないが、土壌は、環境に蓄積された有害物質を、長い年月をかけて放出していくことから、危機を脱したとはいえない」とコメントした。【ドイツ連邦環境省】